2016〜17シーズン/ニセコの冬まとめ&2017〜18シーズン/冬の展望

夏も過ぎて、秋も深まるとスキーヤー、スノーボーダーなら否が応でも気になるのは次のスノーシーズンのこと。2017-18シーズンがどんな冬になるか? 昨シーズンを振り返りつつ、来るシーズンに思いを馳せてみたいと思う。
文:新美和造

2016〜17年はどんなシーズンだったのか?

図1_樺山積雪降雪2017
図1:樺山観測所の積雪・降雪推移

 図1はひらふスキー場に近い倶知安町樺山の自宅の庭で測っている積雪と降雪のデータ。折れ線グラフが過去5年分の積雪と過去10年間でもっとも雪解けの早かった2008年の積雪推移。棒グラフが2017年の降雪量の推移を示している。昨シーズンは11月にたびたびまとまった降雪があり、積雪深が10日には38㎝、下旬には40㎝を超えた日があった。しかし、12月下旬になると雪が降らなくなり、その後は大雪となる日もほとんどなく、積雪の少なかった前年(2016年)よりさらに少ない積雪深で推移した。しかし、3月には上空に寒気が流れ込む日が多かったため、雪解けのペースは遅く、結局雪がなくなったのは前年とほぼ同じだった。

 以下の図2(3種)は札幌管区気象台のホームページから閲覧できる道内各地の日降雪量、日最深積雪、累積降雪量のグラフである

図2-1_積雪推移倶知安2017
図2-1:倶知安の積雪・降雪推移(札幌管区気象台HPより)

 図2-1の図の中段、日最深積雪のグラフから、12月中旬までは積雪が平年を上回る日も多かったものの、その後は失速して1月からは平年を下回り、前年よりもさらに積雪の少ない状態が続いた様子がわかる。

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表1:旬別の気温と降雪量、右列は平年比(気象庁データ)

 表1は旬別に倶知安の最高気温、降雪量と札幌上空の気温を平年との比較で示したものである。3月の500hPa気温は平年より低く、この時期上空の寒気が頻繁に流れ込んだ様子がわかるが、それ以外は地上気温、上空の気温ともほぼ平年並み。降雪量は平年より少なく、特に1月~2月中旬にかけての降雪量が少なかったことがわかる。

図2-2_積雪推移札幌2017
図2-2:札幌の積雪・降雪推移(札幌管区気象台HPより)

 次に図2-2、札幌の記録を見るとまったく様子が違っていることがわかるだろう。12月中旬、下旬の大雪以降、シーズンを通して積雪が平年より多くなっている。札幌では累積降雪量でも前年より多くなっているものの、平年と比べると少なく、シーズンを通してみると少雪だったことがわかる。

図2-3_積雪推移赤井川2017
図2-3:赤井川の積雪・降雪推移(札幌管区気象台HPより)

 図2-3 には赤井川の図も掲載した。赤井川の観測点はキロロスキー場にも近く、この地域は北風でも西風でもまとまった降雪となることが多い。昨シーズンのように北風の多い年でもコンスタントに雪が降ったことがわかる。

 昨シーズンのニセコを概括すると、気温はほぼ平年並み、降雪量は少なかった。11月には次々と寒気が流れ込んでまとまった降雪もあり、雪の多いシーズンを期待した方も多かったと思うが、1月からは降雪が少なく、雪の少なかった前年並みの少雪となった。
 加えて昨シーズンは等圧線が縦縞で北風の吹く冬型の気圧配置となることが多く、ニセコよりもむしろ札幌や小樽、余市方面でまとまった降雪となる日が多かった。ディープパウダーを期待する人々にとっては、ニセコはやや期待外れだったかもしれない。ただ、ニセコで生活するものにとっては、11月のまとまった降雪でシーズンインも比較的早く、真冬でも除雪にうんざりするような大雪はなく、快適なシーズンだったと感じた人も多いと思う。

2017〜18年はどんなシーズンになるのか?

 今年の夏は7月が暑かったので生活実感として冷夏という感覚はないが、8月にはオホーツク海高気圧の影響で気温が低く、東北地方では梅雨明けを特定できないまま秋になってしまった。その意味では「冷夏」と言えるかもしれない。「冷夏暖冬」などということがよく言われるが、さて今度の冬はどうなるか?

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表2:倶知安の積雪・降雪・気温(気象庁データ)

 今年は北陸、東北で梅雨明けをしないまま8月を迎えた。東北北部で梅雨が明けなった年は1951年の気象庁の統計開始以来、1993年、1998年、2001年、2003年、2009年、今年の6回だけ。直後の冬の倶知安の気温や降雪量をまとめたのが表2である。比較のために平年の値と昨シーズンの値も併記した。この表を見ると、気温は平年より高め、降雪量は多い年が多い。

図3_樺山積雪降雪2010
図3:2010寒候年の樺山の積雪・降雪推移

 ちなみに図3、2010年冬の樺山の積雪データを見てみると、日降雪量が50㎝を超えるような大雪の日が何度もあって、最深積雪が280㎝を超える雪の多かった年となっている。

 これらはあくまでも過去のデータであって、この冬どうなるかの根拠とはならない。気象庁からは北日本で暖冬少雪という寒候期予報も発表されているが、過去のデータは少雪から解放される可能性を示唆している。気象予報士としても注目のシーズンが到来する。

<プロフィール>
新美 和造(にいみ かずぞう)
1969年京都生まれ,倶知安町樺山在住の気象予報士。
雪、山、雲、温泉をのんびり楽しむのが大好き。趣味はスキーとランニング。高校卒業後に北海道の大学へ進学し、北海道の自然に魅了される。気象の現場で仕事がしたくて11年間気象庁に奉職するものの、長くなりそうな東京暮らしに耐えられなくなり、2006年春からニセコ山麓に移住。自然を相手に仕事をしている人の多いこの地で、もっと身近に気象の情報を届けられるようにしたいと思っている。